長浜ラーメンの「元祖長浜屋(ながはまや)」通称「ガンナガ」かつてはお家騒動も!?

 元祖長浜屋を語る前に、まずは長浜ラーメンの位置付けについて説明したい。

 福岡のとんこつラーメンは現在大きく分けて3つにカテゴライズされている。長浜ラーメンはその中の一つで、「久留米ラーメン」「長浜ラーメン」「博多ラーメン」がある。

久留米ラーメン
とんこつラーメンの発祥は福岡県久留米市といわれており、最初はあっさりであったが、徐々に濃くなってゆき現在の「こってり」となったそう。現在の久留米ラーメンの特徴といえる。
「南京千両」が発祥(当時は屋台)

長浜ラーメン
博多漁港に面する長浜地域で生まれたラーメンのこと。現在の長浜には多くの長浜ラーメンのお店が密集している。魚市場で働く人たちが食べに来るため、早朝からお店が空いており、すぐに提供できるよう麺は細麺。味もあっさりしている。「替玉」文化も長浜ラーメンが発祥である。
「元祖長浜屋」が発祥(当時は屋台)。

博多ラーメン
もともとの博多ラーメンは白濁させないスープが主流であったが、現在は、もともとの醤油ラーメンの文化や長浜ラーメン、久留米ラーメンの要素が融合して醸成されてきたものといえる。久留米のとんこつラーメンと比べるとあっさりしている。全国的に認知されている福岡とんこつラーメンといえば、この博多ラーメンである。「札幌味噌ラーメン」「喜多方ラーメン」とともに「日本3大ラーメン」に数えられる。
「三馬路」が発祥(当時は屋台)。

長浜ラーメンの元祖が「元祖 長浜屋」

外観
入口の看板には長浜屋の歴史が書かれていた。

 元祖長浜屋は長浜ラーメンの元祖である。1952年に屋台として創業して、その後店舗に変わり、長浜地域の中で移転もはさみながら、現在も老舗の味を守り続けている。

「元祖 長浜屋」の店内へ。

 券売機が店の外にあるので、購入してからお店の中へ。

 ちなみに、替玉や替肉は、店内の口頭注文でもいいので先に買わない方がいいと思う。もともとの量が多いので、食べてみて、それでもほしいと思ったら、その時に口頭でお店の人に注文しよう。

食券機

 ラーメンの食券を買い、店内へ。平日の20:30、お店は空いていた。いつもは混んでいるようなのでタイミングがよかったのだと思う。

店内の様子

 入ってすぐにラーメンが作り始められるので、このタイミングで、希望の麺の固さと、ネギの量と、油の量を伝える必要があります。ここで伝えそこねるとすべて「普通」のラーメンがわずか30秒程度で出てきます。とにかく出てくるのが早い。

 私は麺の固さをやや固めを示す「カタ」で頼みました。地元民は「カタ」で頼むことが多いです。ネギの量や油は普通です。

ラーメン。紅生姜は卓上のものを好みに応じて自分で入れる。
卓上には紅生姜のほか、ゴマ、タレ、お茶などがある。

 味は薄めなので、好みに応じて卓上の「タレ」を継ぎ足すことで調整できる。ただし入れすぎ注意。少しずつ味を確かめながら継ぎ足さないと、しょっぱくなってしまう。

 味はたしかに美味しいのだけど、すごく美味しい!というほどではない。単純に美味しさで比べたら博多ラーメンの方が上だと思う。

 それは当然で、そもそもの思想が違う。長浜ラーメンの場合は、もともと長浜の魚市場で働く方達向けのお店だったので、安い値段で、提供時間も早く、早朝から食べやすい薄味なのである。多少値段が高くても美味しさを追い求める博多ラーメンとは思想が違う。

 それでも、癖になる味で地元にもファンが多い。まさに福岡のソウルフードといえる。

完食。少しタレを入れすぎてしまい、スープの色が濃くなった。
替玉を注文。「バリカタ」。

 替玉にそなえてスープを残して完食。そして、「バリカタ」で替玉を注文。外の券売機に買いに行かなくても、口頭の注文で対応してくれました。

お家騒動!?

 実は名前がそっくりなお店が複数存在している。一つは同じ長浜地域に店舗をかまえる『元祖ラーメン長浜家 ※通称「家1」』(←先日訪問した際の記事)、2009年に「元祖長浜屋」の元従業員が独立し開業したのだそう。読み方は「ながはま」。

 さらに「家1」から従業員が独立開業したのが『元祖ラーメン長浜家 ※通称「家2」』。この家2に至っては家1と名前が全く同じである!近年では『元祖ラーメン 長浜男』などのお店も開店している。

 これらのお店は、名前もラーメンも外観もシステムも何もかもそっくりだ。そしてこれらのお店は暖簾分けしたわけではなく資本的な繋がりもない。全くの別のお店なのだ。これらのお家騒動?に注目してみるのも、また面白いかもしれない。

まとめ

 長浜ラーメンの起源は、魚市場で働く方達むけのラーメン屋であった「元祖長浜屋」であり、早朝から深夜まで営業している。価格は安く、提供はかなり早い。麺は細くスープの味はやや薄めである。

 観光客の方にはあまりオススメしないが、福岡の一つの文化として「長浜ラーメン」を体験したいのであれば、「有り」である。

元祖長浜屋の場所は?

店名元祖 長浜屋(ながはまや)
アクセス福岡市営地下鉄空港線「赤坂」駅(1番出口)から徒歩10分
営業時間[月・水・木・金・土・日]
5:00~翌1:45
[火]
5:00~22:00
TEL092-711-8154
定休日12/31〜1/5
食事形式店内飲食 → 〇
テイクアウト → ×
フードデリバリー →×
店舗前の歩道

 自転車で来ても、店舗前の歩道が広いため停めることはできそう。

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